経口ミノキシジル徐放剤VDPHL01とは|2026年の治験結果と承認の見通し

経口ミノキシジル徐放剤VDPHL01とは|2026年の治験結果と承認の見通し|AGA基礎知識 AGA基礎知識

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米Veradermicsの徐放性経口ミノキシジル「VDPHL01」は、2026年に男性の第2/3相試験で主要評価項目を達成したと発表されました。ただし2026年10月3日時点で米国でも未承認で、日本での開発計画は確認できません。本記事では、同社のSEC提出資料と臨床試験登録の一次情報から、わかっていることと未確定の点を整理します。

VDPHL01はどんな薬か

VDPHL01は、米コネチカット州のVeradermics社が開発している、ミノキシジルの飲み薬です。同社は「経口の徐放性ミノキシジル製剤」と説明しています。ホルモンに作用しない非ホルモン系の治療薬として開発されています。

特徴は薬の溶け出し方です。同社の発表によると、ゲル基剤から成分を長時間かけて一定に放出する設計です。通常の即放性ミノキシジル錠で生じる高い血中濃度のピークを避けることを狙っています。ただし、通常の錠剤と直接比べた試験の結果は公表されていません。

ミノキシジルの飲み薬そのものの位置づけは、ミノキシジル外用と内服の比較で解説しています。

2026年に何があったか

日付発表内容
2026年2月男性の確認的第3相「304試験」の登録完了(4月の発表資料に記載)
2026年4月27日男性の第2/3相「302試験」Part Aのトップライン結果を発表
2026年7月15日男女対象の第2相「207試験」の結果を発表(女性の数値が中心)
2026年8月11日第2四半期決算で、女性の第2/3相「306試験」556例の登録完了を発表

同社は、304試験のトップラインと302試験の12か月データを2026年後半に発表する予定としています。10月3日時点で、304試験の結果発表は同社のSEC提出書類では確認できませんでした。

試験の結果

302試験(男性・第2/3相)

302試験は無作為化・二重盲検・プラセボ対照の試験で、米国で行われました。登録は519例です。発表された結果は、8.5mgの1日1回群、1日2回群、プラセボ群の比較です。

6か月時点の指標8.5mg 1日1回8.5mg 1日2回プラセボ
非軟毛の毛髪数の増加(本/cm²)30.333.07.3
本人評価で「改善」「大きく改善」48.4%62.9%13.4%
本人評価で何らかの改善79.3%86.0%35.6%

実薬の両群とも、プラセボとの差はp<0.0001と発表されています。治験医の評価で改善とされた割合は、1日1回群で72.0%、1日2回群で84.4%でした。最初の評価時点である2か月目から、プラセボとの有意な差がみられたとしています。

安全性について同社は、治療に関連した重い有害事象はなく、心臓由来の注目すべき有害事象もなかったと発表しています。有害事象の発生率はプラセボと同程度とされています。一方、多毛やむくみ、動悸などの個別の発生率は今回の発表資料には示されていません。

207試験(男女・第2相オープンラベル)

207試験は、男性21例と女性28例を対象にした多施設の第2相試験です。男性は8.5mgを1日2回、女性は4.5mgを1日1回または2回服用し、12か月の投与を計画しています。

女性の6か月時点の毛髪数の増加は、1日1回群で22.7本/cm²、1日2回群で23.3本/cm²でした。本人評価で「改善」「大きく改善」とした割合は88.9%と90.0%と発表されています。治療に関連した重い有害事象と、心臓由来の注目すべき有害事象はなかったとしています。

ただし、この試験はオープンラベルで、プラセボ群がありません。女性は28例と少なく、数値をそのまま効果の大きさとして読むことはできません。女性への効果は、プラセボ対照の306試験の結果で判断されることになります。

今後の試験(304・306)

304試験は男性を対象にした確認的第3相で、2026年2月に登録が完了しています。302試験と合わせて1,000人を超える男性が参加していると同社は説明しています。

306試験は女性556例のプラセボ対照試験で、4.5mgの1日1回と1日2回を52週間評価します。主要評価項目は24週時点で、トップラインは2027年前半の予定です。

日本での状況

VDPHL01の臨床試験は、ClinicalTrials.govの登録上いずれも米国で行われています。日本での治験登録や、同社による日本展開の計画は確認できませんでした。

日本では、経口ミノキシジルは薄毛治療薬として承認されていません。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」は、ミノキシジル内服を推奨度Dとしています。推奨度Dは「行うべきではない」という区分で、男女とも内服を行うべきではないとしています。理由は利益と危険性が十分に検証されていないためと記されています。

詳しい背景は経口ミノキシジルが推奨度Dの理由、心臓への影響はミノキシジル内服と心拍数の関係で解説しています。

なお、他社でもブラジルのEurofarmaが経口ミノキシジル液「N1087」の第3相(NCT07529977)を登録しています。2027年1月開始予定で、まだ参加者の募集前です。

わかっていること・わかっていないこと

わかっていること:男性の302試験で、6か月時点の毛髪数と本人評価がプラセボを上回ったと発表されています。治療関連の重い有害事象と心臓由来の注目すべき有害事象はなかったとされています。

わかっていないこと:第3相304試験と女性306試験の結果は未発表です。FDAへの承認申請の時期は、今回確認した同社の発表資料には記載がなく未確認です。多毛やむくみなど個別の副作用の頻度、通常のミノキシジル錠との比較、日本での開発予定も公表されていません。

今できる選択肢

VDPHL01は承認前の開発品で、今の時点で使うことはできません。日本で使える治療としては、フィナステリドやデュタステリドの内服、ミノキシジルの外用があります。違いはフィナステリドとデュタステリドの比較で整理しています。

海外のミノキシジル錠を個人輸入して自己判断で飲むことは勧められません。偽造品や健康被害のおそれがあり、詳しくはAGA薬の個人輸入のリスクをご覧ください。効果には個人差があり、どの薬にも副作用があります。持病や服用中の薬がある人は特に、まず医師に相談してください。

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承認済みの治療で何ができるか、医師に確認するところから始められます。

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よくある質問

VDPHL01は日本で使えますか?

2026年10月3日時点で、VDPHL01はどの国でも承認されていません。臨床試験は米国で行われており、日本での治験登録や開発計画は確認できませんでした。日本で入手できる正規の手段は現時点ではありません。

VDPHL01はいつ承認されますか?

承認時期は決まっていません。男性の第3相試験304の結果は2026年後半、女性の306試験の結果は2027年前半に出ると同社は発表しています。FDAへの承認申請の時期は、一次情報では確認できませんでした。

普通のミノキシジル錠と何が違うのですか?

同社によると、ゲル基剤からゆっくり成分を放出する徐放製剤で、通常の錠剤で生じる高い血中濃度のピークを避ける設計です。ただし、通常の錠剤と直接比べた試験結果は公表されていません。

女性にも効果があるのですか?

女性28例を含むオープンラベルの第2相試験207で毛髪数の増加が報告されています。ただしプラセボ群がなく例数も少ないため、効果の大きさは判断できません。女性556例のプラセボ対照試験306の結果待ちです。

まとめ

VDPHL01は、通常の錠剤とは放出の仕方が違う経口ミノキシジルとして米国で開発が進んでいます。男性の302試験では良好な結果が発表されましたが、確認的な304試験と女性の306試験の結果はこれからです。承認申請の時期は未確認で、日本での開発計画も見当たりません。新薬の全体像はAGA新薬一覧もあわせてご覧ください。

出典

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