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結論から言うと、ピリルタミドは中国で第III相まで進み、日本での治験は確認できません。
ピリルタミド(開発コードKX-826)は、頭皮に塗る外用のアンドロゲン受容体拮抗薬として開発が進む候補薬です。PP405やクラスコテロンと並んで名前が挙がりますが、進捗の中身は大きく異なります。この記事では公的な治験登録と開発元の公式発表だけを根拠に、2026年9月時点で確認できる事実を整理します。
以下の内容は、いずれも一次情報で確認できた範囲に限っています。確認できなかった点は「確認できない」と明記します。
どんな薬か
ピリルタミドは、中国の開発企業が手がける外用薬です。米国国立医学図書館が運営する治験登録データベースには、男性型脱毛症(AGA)を対象とした複数の試験が登録されています。飲み薬ではなく頭皮に塗るタイプである点が、既存の内服薬との違いです。
治験の登録状況(ClinicalTrials.gov)
治験登録データベースで確認できる主な試験は次のとおりです。登録上のステータスと日付をそのまま記載します。
| 登録番号 | 相 | 対象・実施国 | ステータス | 主要評価項目の完了日 |
|---|---|---|---|---|
| NCT05218642 | 第II相 | 男性AGA・米国 | 完了 | 2023年2月13日 |
| NCT05940506 | 第II相 | AGA・中国 | 完了 | 2021年7月8日 |
| NCT06409650 | 第II相 | 女性AGA・中国 | 完了 | 2022年11月10日 |
| NCT06126965 | 第III相 | 成人男性AGA・中国 | 不明(UNKNOWN) | 2024年5月31日 |
| NCT06622824 | 第II/III相 | 男性AGA・中国 | 未募集 | 2027年10月20日(予定) |
出典:ClinicalTrials.gov NCT05218642ほか各登録ページ(2026年9月時点)。
「不明(UNKNOWN)」は、登録情報が一定期間更新されていないことを示す区分です。試験が中止されたという意味ではありません。
開発元が公表している第III相の結果
開発元は2025年3月20日付の発表で、長期安全性を調べる第III相試験が主要評価項目に到達したと公表しています。主要評価項目は、試験中に発生した有害事象の発現率でした。
- 中国国内の16施設で実施
- 死亡例はなく、薬剤に関連する性機能障害の有害事象は観察されなかったと記載
- 52週時点で、標的部位の毛髪数と毛髪の太さがベースラインから増加(P<0.0001)
- 1平方センチあたり10本以上の改善に到達した割合は46%、20本以上は20%
さらに同社のニュース一覧には、2026年3月18日付で「KX-826チンキ1.0%の第III相が主要評価項目に到達した」との見出しが掲載されています。2026年6月1日には、同試験と併用療法のデータを国際学会で発表したことも告知されています。
出典:開発元ニュース一覧。
なお、これらは開発元自身の発表であり、査読論文の全文で内容を確認できたものではありません。数値の解釈には注意が必要です。
日本で使えるのか
ここが最も知りたい点だと思いますが、確認できる事実は限られます。
- 日本国内で実施中の治験は、治験登録データベースの検索範囲では確認できませんでした
- 日本を含むいずれの国でも、承認されたという情報は確認できませんでした
- 開発元のニュース一覧では、当局への承認申請に関する告知を確認できませんでした
したがって、日本で処方される時期を示す確かな材料は現時点で存在しません。発売時期を断定する情報を見かけた場合は、出典をたどって確認することをおすすめします。
他の開発中の薬との位置づけ
同じく注目される候補と比べると、進み方の違いが見えてきます。それぞれの詳細は個別記事にまとめています。
待つあいだに現実的な選択肢はあるか
開発中の薬が使えるようになる時期は読めません。進行するタイプの薄毛では、承認済みの治療で早めに手を打つ判断が現実的な場合もあります。どの治療が自分に合うかは、医師の診察を受けて確認してください。
男性ホルモン以外の仕組みを狙う候補薬として、HMI-115の治験状況もあわせて確認できます。
よくある質問
個人輸入で手に入りますか
未承認薬の個人輸入は、品質や成分が保証されず健康被害のリスクがあります。副作用が出ても公的な救済制度の対象外です。おすすめできません。
既存の治療と併用できますか
承認されていない薬のため、併用を検討できる段階ではありません。現在の治療については主治医に相談してください。
第III相が終われば必ず承認されますか
いいえ。主要評価項目の達成は承認を約束するものではありません。審査で追加のデータが求められることもあります。
まとめ
ピリルタミドは中国で第III相まで進み、開発元は主要評価項目の達成を公表しています。一方で、日本での治験登録も各国での承認も確認できませんでした。実用化の時期を語れる段階ではないため、情報は一次情報で追いかけるのが確実です。
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