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執筆・編集:薄毛改善ラボ編集部
20年以上、自らAGA・植毛・育毛剤を試してきた編集長が監修。実体験と最新エビデンスに基づき発信しています。
結論から言うと、国内で承認されているAGA治療薬(プロペシア・ザガーロ)は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)ため、AGA治療は自由診療となり健康保険は使えません。ジェネリック処方やオンライン診療の活用で費用を抑えられる場合がありますが、容姿を美化する目的の費用は医療費控除の対象外とされており、AGA治療は原則として医療費控除の対象になりません。
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1. AGA治療が健康保険の対象にならない理由
健康保険は、被保険者の「疾病又は負傷」に関して、診察・薬剤の支給・手術などの療養の給付を行う制度です(健康保険法第63条)。保険診療では、保険医は厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬を処方してはならないとされており(保険医療機関及び保険医療養担当規則第19条)、この保険で使える医薬品の一覧が「薬価基準」です。
国内でAGA(男性型脱毛症)の効能を持つ医療用医薬品として承認されているフィナステリド製剤(プロペシア)とデュタステリド製剤(ザガーロ)は、どちらも添付文書の「保険給付上の注意」に「保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)」と明記されています。保険で処方できる薬の一覧に載っていないため、AGAの薬物治療は公的医療保険を使わない自由診療として行われます。
承認されている効能・効果の範囲
- プロペシア:効能・効果は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」。他の脱毛症・女性・小児への適応はありません
- ザガーロ:効能・効果は「男性における男性型脱毛症」。他の脱毛症への適応はなく、女性・小児には投与しないこととされています
なお、同じデュタステリドでも「AV」と表記された製剤は効能・効果が「前立腺肥大症」の別製品で、薬価基準に収載されています。ただし、その添付文書には「男性における男性型脱毛症」の治療目的で処方された場合は保険給付の対象としない旨が記載されています。成分が同じでも、AGA目的で保険が使えるわけではありません。
出典:e-Gov法令検索「健康保険法」/e-Gov法令検索「保険医療機関及び保険医療養担当規則」/PMDA「プロペシア錠 添付文書」/PMDA「ザガーロカプセル 添付文書」/PMDA「デュタステリドカプセル0.5mgAV 添付文書」
2. 保険診療の対象になる脱毛症(円形脱毛症など)
薄毛・抜け毛の悩みがすべて自由診療になるわけではありません。代表例が円形脱毛症です。日本皮膚科学会の「円形脱毛症診療ガイドライン2024」は、円形脱毛症を後天性・非瘢痕性の脱毛症と位置づけ、国内に保険診療で認可された薬剤・治療法があることにも触れたうえで、ステロイド局所注射やステロイド外用などの治療を推奨しています。
重症の円形脱毛症にはJAK阻害薬が保険適用に
- バリシチニブ(オルミエント):2022年6月に円形脱毛症の効能が追加承認されました。効能・効果は「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」で、患者向医薬品ガイドでは、治療開始時に頭部全体のおおむね50%以上に脱毛があり、過去6ヵ月程度自然な再生がみられない人に使うと説明されています。成人と、12歳以上かつ体重30kg以上の小児が対象です
- リトレシチニブ(リットフーロ):同じ「脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る」円形脱毛症を効能・効果とし、成人と12歳以上の小児が対象です
両剤とも薬価基準に収載されており、ガイドライン2024でも重症の円形脱毛症で保険診療が可能になったと記載されています。一方、同じガイドラインは局所免疫療法について「保険適用がない」と明記しており、円形脱毛症であっても治療法によっては保険が使えません。また、JAK阻害薬の効能・効果は広範囲・難治の円形脱毛症に限られており、AGAの治療薬ではありません。自分の脱毛がどの病気によるものかは、まず皮膚科で診断を受けることが出発点です。
出典:日本皮膚科学会「円形脱毛症診療ガイドライン2024」/PMDA「オルミエント錠 患者向医薬品ガイド」/PMDA「リットフーロカプセル 審議結果報告書・審査報告書」/厚生労働省「薬価基準収載品目リスト」
3. 保険が使えない主なケース
1章・2章を踏まえると、保険が使えない代表的なケースは次のとおりです。
| ケース | 確認できる事実 |
|---|---|
| AGAに対するフィナステリド・デュタステリドの内服 | AGA用製剤は薬価基準未収載。前立腺肥大症用のデュタステリドもAGA目的の処方は保険給付の対象外 |
| ミノキシジル(外用・内服) | 薬価基準収載品目リスト(内用薬・外用薬)にミノキシジルは見当たらない。内服は国内で認可されておらず、ガイドラインの推奨度はD(行うべきではない) |
| 女性の薄毛(FAGA) | プロペシアは女性への適応がなく、ザガーロは女性に投与しない。ガイドラインは女性型脱毛症にミノキシジル外用を推奨度Aとしているが、同成分は薬価基準に見当たらない |
| 植毛 | 医科診療報酬点数表(令和8年度)に「植毛」の項目は見当たらない。ガイドラインでは自毛植毛術が推奨度B(男性型脱毛症)、人工毛植毛術はD |
注意したいのは、ガイドラインで推奨されていることと、保険が使えることは別という点です。男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版は、保険診療上認められていない治療法も医学的根拠があれば取り上げており、「保険診療の手引き書ではない」と明記しています。LED・低出力レーザー照射など、ガイドラインに掲載されているほかの治療も、保険診療として受けられるかは受診する医療機関で確認してください。
出典:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」/厚生労働省「薬価基準収載品目リスト」/厚生労働省「医科診療報酬点数表(令和8年度)」
4. 保険診療と自由診療の併用(混合診療)のルール
「保険が使える検査だけ保険で、AGAの薬だけ自費で」と考える人もいるかもしれません。しかし厚生労働省は、保険適用されていない医療と保険診療の併用(いわゆる混合診療)は原則として認められておらず、実施した場合は保険適用部分も含めて費用が全額自己負担になると説明しています。
例外は「保険外併用療養費制度」
例外として、厚生労働大臣が定める次の療養は保険診療との併用が認められています(健康保険法第86条)。この場合、入院基本料など一般の診療と共通する基礎的部分は保険から給付され、上乗せ部分が自己負担になります。
- 評価療養:先進医療や治験に係る診療など、将来の保険導入に向けて評価を行うもの
- 患者申出療養:国内未承認の医薬品等を使いたいという患者の申出を起点とするもの
- 選定療養:差額ベッドや予約診療・時間外診療など、保険導入を前提とせず患者が選んで特別の料金を払うもの
厚生労働省が示しているこれらの類型の例に、AGA治療薬の処方は見当たりません。AGA治療を受ける日に、別の症状で保険診療を受けたい場合などの扱いは、医療機関の運用によって異なる可能性があります。自己判断せず、受診前に医療機関へ確認するのが確実です。
出典:厚生労働省「未承認又は適応外の医薬品等を用いる特定臨床研究における保険診療について」/厚生労働省「保険外併用療養費制度について」/厚生労働省「保険外併用療養費の仕組み」/e-Gov法令検索「健康保険法」
5. 医療費控除の考え方
医療費控除は、自分や生計を一にする配偶者・親族のためにその年(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えるとき、所得から差し引ける制度です。控除額は「支払った医療費 − 保険金などで補塡される金額 − 10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)」で計算し、上限は200万円です。
対象になるもの・ならないもの
対象になるのは、医師による診療・治療の対価や、治療・療養に必要な医薬品の購入費などです。一方、所得税基本通達73-4は「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用」は医療費に該当しないとしており、国税庁の手引きでも、容姿を美化するなどの目的で行った整形手術の費用や、疾病の予防・健康増進のための医薬品の購入費は対象外の例に挙げられています。
判断の基準は費用の名目ではなく目的です。国税庁の質疑応答事例では、子どもの不正咬合を治すなど社会通念上必要な歯列矯正は対象になる一方、将来の就職や結婚を考えての矯正は容姿の美化が目的として対象外とされています。ホクロの除去費用も「疾病の治療のための費用には当たらない」として対象外とされています。
AGA治療について国税庁が個別に示した事例は見当たらず、どちらに当たるかは個別の事情で判断されます。冒頭でお伝えしたとおり原則として対象外と考えられますが、申告を検討する場合は所轄の税務署に確認してください。申告する場合は確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付し、領収書は確定申告期限等から5年間、税務署から提示を求められることがあるため保管しておきます。
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」/国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」/国税庁「所得税基本通達 法第73条(医療費控除)関係」/国税庁「医療費控除を受けられる方へ」/国税庁「歯列を矯正するための費用」/国税庁「ホクロの除去費用」
6. 民間の医療保険は使える?
公的医療保険とは別に、個人で加入している民間の医療保険や共済からAGA治療の費用について給付を受けられるかどうかは、加入している保険の約款(給付の対象となる病気・治療・入院や手術の定義など)次第です。「治療だから出るはず」と思い込まず、受診前に保険会社や共済の窓口へ、AGA治療が給付対象になるかを確認しましょう。
確認するときは、次の点を具体的に伝えるとスムーズです。
- 受ける予定の治療の内容(内服薬の処方のみか、手術を伴うかなど)
- 自由診療として受ける予定であること
- 給付請求に必要な書類(診断書・領収書など)
また、医療費控除との関係にも注意が必要です。所得税基本通達73-8では、生命保険契約や損害保険契約などに基づき医療費の補塡を目的として支払を受ける医療保険金・入院費給付金などは「医療費を補塡する保険金等」に当たるとされています。医療費控除を受ける場合は、支払った医療費からこれらの給付額を差し引いて計算します。給付額が申告時に確定していない場合は見込額で計算し、後日確定額と異なれば医療費控除額を訂正することとされています。
出典:国税庁「所得税基本通達 法第73条(医療費控除)関係」/国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
7. 受診前に確認したいこと
自由診療は、保険診療と違って内容や費用が医療機関ごとに大きく異なり得ます。厚生労働省の「医療広告等ガイドライン」は、医療機関のウェブサイトなどで自由診療を紹介する場合、通常必要とされる治療内容・標準的な費用・治療期間や回数と、主なリスク・副作用をわかりやすく掲載するよう求めています。公的医療保険が適用されない旨と標準的な費用を併記することも求められています。受診前には、こうした情報がきちんと示されているかを一つの目安にできます。
チェックリスト
- 自由診療(保険が使えない)であることの説明があるか
- 初回だけでなく、継続した場合の費用や追加費用を含めた見積りが示されているか
- 主なリスク・副作用の説明があるか
- 処方される薬が国内で承認された薬か、承認された効能・効果の範囲で使うものか
- 契約内容(支払方法、途中でやめる場合の扱いなど)を書面で確認できるか
特に国内未承認の医薬品を自由診療で使う場合、同ガイドラインは、未承認であることや入手経路、同一成分の国内承認薬の有無などを明示するよう求めています。また、未承認医薬品や、承認された効能・効果、用法・用量どおりに使われていない医薬品による健康被害は、原則として医薬品副作用被害救済制度の対象にならないことも明示すべきとしています。内服ミノキシジルのように国内で認可されていない薬を勧められた場合は、この点を含めて十分な説明を受けてから判断しましょう。
出典:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」/日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
まとめ

AGA治療は自由診療で、医療費控除も原則として対象外です。ジェネリック医薬品の活用やオンライン診療の利用などで費用を抑えられる場合があります。
8. AGA治療費を賢く管理するための実践ガイド

年間費用シミュレーション
長期的にAGA治療を継続する場合の費用を正確に把握しておくことが重要です:
| 治療プラン | 月額 | 年間 | 5年間 | 医療費控除の扱い |
|---|---|---|---|---|
| フィナステリド(ジェネリック)のみ | 2,000円 | 24,000円 | 120,000円 | 原則対象外(容姿を美化する目的の費用) |
| デュタステリド+外用ミノキシジル | 8,000円 | 96,000円 | 480,000円 | 原則対象外(容姿を美化する目的の費用) |
| デュタステリド+内服ミノキシジル(内服は国内未承認・ガイドライン推奨度D) | 15,000円 | 180,000円 | 900,000円 | 原則対象外(容姿を美化する目的の費用) |
オンライン診療で費用を抑える
AGA治療のコストを抑える方法の一つが、オンライン診療(遠隔診療)の活用です:
- クリニック受診の交通費・時間コストがゼロ
- 待合室での待ち時間がゼロ
- 定期診察の頻度を下げてもサポートを受けられる
- 薬が郵送されるため薬局に行く手間もない
- 複数のオンラインクリニックを比較して低価格帯を選べる
同じフィナステリドでも、通常クリニックでは月4,000〜6,000円※2026年5月時点・最新は公式サイトで要確認程度かかるのに対して。 オンラインクリニックでは月1,500〜3,000円※2026年5月時点・最新は公式サイトで要確認で処方してもらえるケースが多くあります。
セルフメディケーション税制(スイッチOTC薬の控除)
医療費控除とは別に、セルフメディケーション税制という制度があります。ドラッグストアで購入した一部の市販薬(スイッチOTC)が年間12,000円※2026年5月時点・最新は公式サイトで要確認を超えた場合、超えた部分(上限88,000円)が所得から控除されます。適用には健康診断や予防接種など一定の取組を行っていることが必要で、医療費控除との選択適用となります。
健康管理・定期検診への投資として考える
AGA治療費を「外見への投資」としてだけでなく、「健康管理への投資」として考えることも有益です。ただし、AGA治療に用いるフィナステリド・デュタステリドは前立腺の病気の予防目的で承認された薬ではありません。両剤は前立腺がんの検査に使う血清PSA値を低下させる(プロペシアの添付文書では国内の男性型脱毛症患者で約40%低下)ため、検査を受ける際は服用中であることを必ず医師に伝えてください。また日本赤十字社の基準では、フィナステリドは服用中止後1ヶ月、デュタステリドは6ヶ月経過するまで献血できません。
治療の継続・中止は、効果と副作用を定期的に確認しながら医師と相談して決めましょう。
免責事項
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- AGA治療・植毛・育毛の効果には個人差があります。
- 治療の開始・変更・中止については、担当の医師にご相談ください。
- 記載の費用・料金は参考価格であり、時期やプランにより変動する場合があります。
📖 参考情報・公的機関
- 日本皮膚科学会「男性型脱毛症診療ガイドライン」
- PMDA 医薬品医療機器総合機構
- 厚生労働省(医療広告ガイドライン)
※本記事は上記の公的情報をもとに作成しています。医療行為の判断は必ず医師にご相談ください。
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よくある質問

Q. AGAクリニックの選び方のポイントは?
A. ①治療実績 ②治療費の総額(隠れた費用がないか)③医師との相性 ④通いやすさ の4点を確認しましょう。複数クリニックの無料カウンセリングを比較するのがおすすめです。
Q. オンライン診療と対面診療、どちらがいいですか?
A. 通院が面倒な方・地方在住の方はオンラインが便利です。詳細な頭皮チェックや注入治療を希望する方は対面が向いています。
Q. AGA治療は保険適用されますか?
A. 国内で承認されているAGA治療薬(プロペシア・ザガーロ)は添付文書で保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)とされており、AGA治療は自由診療として全額自己負担になります。費用は医療機関ごとに異なるため、受診前に継続した場合の費用を含めた見積りを確認しましょう。
Q. 初診のカウンセリングは無料ですか?
A. カウンセリングや初診の費用が有料か無料かは医療機関によって異なります。予約の段階で、見積もりや治療方針の説明に料金がかかるかを確認しましょう。
Q. クリニック選びで失敗しないコツは?
A. 「初月無料」など極端な安さを強調するクリニックは要注意です。治療継続費用・追加オプション費用を必ず確認しましょう。
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